
今回は、子供の四つ身浴衣(3~4歳)の作り方の手順を紹介します。
当アトリエ本の内容に沿った作り方になっていますので、
「 浴衣の作り方(子供用2)|四つ身 3~4歳(90~100cm) 」のご購入を検討されている方も、作り方の内容について、ご確認くださればと思います。
四つ身とは、並巾の反物を、身長の4倍の長さに裁断して身頃部分を作る仕立て方です。
並巾を背縫いして、後巾は最長、並巾✕2の長さを確保できますので、0歳~3歳くらいまでの和裁方法である一つ身より、後巾を多く取ることができますが、
衽を別裁ちせずに、前身頃との縫い代をつまんで衽としますので、(前巾+衽巾)の長さに制限があり、3歳~8歳くらいまでの和裁方法となっています。
また、同じ四つ身の浴衣でも、3歳から4歳用と、5歳から8歳用では、作り方が少し異なります。
なぜなら、3歳から4歳用では、並巾で、(衿巾✕2+後巾)を確保することができますが、
5歳から8歳用では、衿巾と後巾とも、サイズが大きくなり、並巾でその長さを確保することができなくなるためです。
異なる部分は衿つけと共衿のところだけですので、
今回は3歳から4歳用の女の子の四つ身の浴衣の作り方を紹介し、
5歳から8歳用は、別途、男の子の四つ身浴衣として、その作り方を紹介します。
(3歳から4歳用の男の子の四つ身浴衣を縫う場合には、5歳から8歳用の四つ身浴衣の作り方の記事も確認してください。)
1.袖を縫う
袖は、袖下から丸みを通って袖口下を縫い、
袖口をくけて、丸みを整え、
袖下の縫い代を内袖にくけます。
(袖下は袋縫いにします。)
写真は、女の子用の浴衣で、元禄袖を採用しています。
(当アトリエ本では、
女の子用は長袖の寸法も載せており、
男の子用は筒袖を採用しています。)

2.後身頃の背を縫う
後身頃同士を合わせて、背を縫います。
四つ身は、
後側は、並巾で、後巾と衿巾をとりますので、
背縫いの端は裁ち目となり、背縫いは袋縫いにします。

3.前身頃と衽の縫い代をつまみ、縫う
四つ身は、
前側は、並巾で、前巾と衽巾をとりますが、
前身頃と衽の間をつまんで縫い、衽をつくります。
(このつまみ衽が、子供用四つ身の和裁方法の特徴と言えます。)
縫い代は衽にくけます。

4.衽の褄下部分をくける
衽の褄下部分を三つ折りぐけします。
耳ぐけも、折り伏せぐけも、三つ折りぐけも、すべてに共通しますが、
表に出る針目ができるだけ小さくなるように、
また、針目の間隔は等間隔になるように丁寧にくけましょう。

5.前身頃と後身頃の脇を縫う
前身頃と後身頃の脇を縫い、
後身頃の縫い代を斜めに折って、
かくしじつけをします。
脇の縫い代の処理は、一つ身の浴衣と同様です。

6.身頃に袖をつける
袖と身頃を合わせて袖をつけ、
振りを綺麗に整えて、振りの縫い代を耳ぐけします。
四つ身の袖つけも、一つ身の袖つけと同様です。
和裁では、縫い代の処理は、本来は、裏から見ても耳が見えないように、折り伏せぐけをしますが、
浴衣や甚平は耳ぐけでもよいとされています。
ただし、
縫い代の端が裁ち目となっている場合には、
必ず折り伏せぐけをして、裁ち目が見えないようにします。

7.脇の縫い代を耳ぐけする
脇の縫い代を身頃に耳ぐけします。
(斜めに折った縫い代が脇縫い線とぶつかるところから
前身頃の裾まで、肩まわりもぐるりとくけます。)
脇の縫い代の処理も、一つ身浴衣の場合と同様です。

8.裾をくける
裾を三つ折りぐけにします。
一つ身浴衣の裾と同様に、衽の裾の角は三角に折り、
布が重なっている部分は、ぐしぐけにします。
(表に針目は出さず、できるだけ細かくぐしぐけにし、
裾がほつれないようにします。)

9.身頃に衿をつける
身頃と衿を合わせて縫い、
衿肩あきの角に力布、衿肩まわりに三つ衿芯をつけ、
衿をくけてから、
衿の上に共衿をくけ付けます。
3歳から4歳用の浴衣の衿つけは、
一つ身浴衣・甚平、四つ身甚平と同様です。
(5歳から8歳用の浴衣の袖つけは、異なる方法を採用しています。)
衿肩まわりにつれが出ないように衿をつけるのが難しいのですが、
ポイントは、無理なカーブで縫わずに、自然なカーブをつけて縫うことです。
少し縫っては、衿を表に返して、つれが出ていないか確認しながら縫い進めると、
縫い直しが苦でなくなります。
(慣れるまでどうしてもつれが出てしまうところですので、
何度も縫い直す覚悟で、丁寧に進めてください。)

10.紐をつけ、完成
紐を作り、紐つけをして、仕上げのアイロンをかけ、完成です。
(この後、着丈と裄に合わせて、腰揚げと肩揚げをします。)
この工程も一つ身浴衣と同様です。
一つ身浴衣と四つ身浴衣の違いは、背縫いとつまみ衽の部分だけで、
あとは同じですので、一つ身浴衣の手順も併せてご確認くださればと思います。
(下記11のリンクをクリックしてください。)

11.まとめ
今回は、子供の四つ身浴衣(3~4歳)の手縫いの手順を紹介しました。
皆さんも、お子様の可愛い浴衣を、手縫いにより、作ってみませんか?
子供の四つ身浴衣(3~4歳)は、並巾の浴衣地が5メートル強で、作ることができます。
※ 反物一反あれば、四つ身浴衣(3~4歳)、一つ身浴衣、一つ身甚平を作ることができます。
(一つ身浴衣、一つ身甚平の手縫いの手順も記事にしていますので、下記のリンクをクリックして、是非ご覧ください。)
当アトリエでは、子供の四つ身浴衣(3~4歳)の作り方(和裁の本)を販売しています。
女の子用も、男の子用も、作り方を載せていますし、
初心者の方でも、悩むことなく完成できるよう、丁寧な、工程ごとの図説となっておりますので、
下記のリンクをクリックして、是非ご来店ください。