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子供一つ身(1~3歳)甚平の手縫い手順|女の子用の手縫い工程【画像】を掲載

紐つけと肩揚げ(一つ身甚平)

今回は、子供の一つ身甚平の作り方の手順を紹介します。

当アトリエ本の内容に沿った作り方になっていますので、

当アトリエ本「 甚平の作り方(子供用 4)|一つ身 1~3歳(80~90cm)」のご購入を検討されている方も、

作り方の内容について、ご確認くださればと思います。

一つ身とは、背縫いをせず、並巾の反物巾で後身頃をとる仕立て方です。

並巾(約36センチ)で、後巾✕2をとりますので、0歳から3歳くらいまでの和裁方法となります。

また、古くから、「背縫いのない着物を着ると魔がさす」という言い伝えがあったため、背縫いをしない一つ身の着物などには、お守りとして、背守りや背紋飾りをつける風習があります。

甚平の作り方は、男の子、女の子共通です。

当アトリエの見本品作成では、一つ身甚平は女の子用、四つ身甚平は男の子用としていますので、

男の子用の一つ身甚平を作成予定の場合には、「子供四つ身甚平(3~8歳)の手縫い手順|男の子用の手縫い工程画像を掲載」の記事もご確認ください。(「」内リンクをクリックしてください。)

1.袖を縫う

袖は、袖下を縫い、袖口をくけます。

(袖下は袋縫いです。)

柄合わせをしなくてよい柄の場合には、

袖つけ側を耳にして、裁ち目は袖口側にしますと、

縫い代を処理する際、折り伏せぐけでなく、

耳ぐけで対処できます。

(今回は、柄合わせがありましたので、袖口側を耳、袖つけ側を裁ち目としています。)

一つ身甚平の袖(手縫い)

2.前身頃と後身頃の脇を縫う

衿肩あきと前身頃の中心に切り込みを入れてから、

前身頃と後身頃を合わせて、

袖つけから馬のりまで、脇縫いをし、

縫い代を開いてかくしじつけします。

一つ身では、並巾で後身頃をとり、

並巾の2分の1で前巾をとりますので、

大人物と比べると4分の1くらいのサイズとなり、

とても可愛いですね。

馬のりとは、スリットのことです。

また、縫い代にかくしじつけをすることで、

キセが押さえられ、崩れにくくなります。

一つ身甚平の脇縫い

3.身頃に袖をつける

袖と身頃を合わせて袖をつけ、

1で、袖つけ側が耳の場合には耳ぐけを、

袖つけ側が裁ち目の場合には、折り伏せぐけをします。

今回は、袖つけ側は裁ち目となっていますので、

折り伏せぐけをします。

袖の左と右で、折り伏せぐけ、耳ぐけを統一してください。

(左は折り伏せぐけ、右は耳ぐけとしないということです。)

一つ身甚平の袖つけ

4.馬のりにかんぬきどめをする

馬のりのつけ根にかんぬきどめをします。

スリットは、脱ぎ着の際、付け根に力がかかり、

縫い目が綻びやすくなりますので、

かんぬきどめで、縫い終わりをしっかりとめましょう。

馬のりかんぬきどめ

5.脇の縫い代を耳ぐけする

脇の縫い代を身頃に耳ぐけします。

(前身頃の裾から後身頃の裾まで、肩まわりもぐるりとくけます。)

和裁では、裏であっても裁ち目や耳を見せない処理をしますが、

浴衣や甚平の場合は、耳ぐけが認められています。

裁ち目は見せてはいけませんので、

裁ち目の場合には、必ず折り伏せぐけをします。

一つ身甚平の脇の縫い代の耳ぐけ

6.前身頃に衽をつける

一つ身では、衽は別裁ちとなりますので、

衽と前身頃を合わせて、衽下がりまで縫います。

ここでも裁ち目を見せてはいけませんので、

縫い代を袋縫いにしますが、

縫い代が少ない場合には、袋縫いができませんので、

しるしを付ける際に、袋縫いができるかどうかも確認してください。

一つ身甚平の衽つけ

7.裾をくける

裾を三つ折りぐけにします。

裾の角は三角に折ります。

脇に馬のりがありますので、

前それぞれ両端、後両端の6つの角を三角に折ります。

一つ身甚平の裾(三つ折りぐけ)

8.身頃に衿をつける

身頃と衿を合わせて縫い、

衿肩あきの角に力布、衿肩まわりに三つ衿芯をつけ、

衿をくけます。

一つ身で、衿巾も細いですが、

丁寧に、着物の仕立てと同じように、

力布と三つ衿芯をつけます。

一つ身甚平の衿つけ

9.紐を作る

表紐を2本、内紐を2本作ります。

(表紐のうちの1本は、両端をくけます。)

ここでは4本とも表布にしていますが、

表布に紐を4本つくるだけの余りがない場合には、

内紐2本は新モスにしても構いません。

紐作り(一つ身甚平)

10.紐をつけ、肩揚げをする

紐をつけ、肩揚げをして、甚平の上着は完成です。

女の子も、男の子も、同じ作り方となっています。

紐つけと肩揚げ(一つ身甚平)

11.半ズボンの側面を縫う

ここから、半ズボンの作り方となります。

半ズボンの前と後の側面を縫い、

縫い代を折り伏せぐけします。

上着と同様、裁ち目を見せないように、

縫い代を折り伏せぐけします。

表に出る針目ができるだけ小さくなるように、

また、針目は等間隔の方が綺麗に見えます。

側面縫い(一つ身甚平)

12.半ズボンの股下を縫う

半ズボンの前と後の股下を合わせて縫い、

ここでも、縫い代を折り伏せぐけします。

股下縫い(一つ身甚平)

13.半ズボンの裾をくける

半ズボンの裾をぐるりと三つ折りぐけにします。

裾は綻びやすいので、間隔を細かめにくけています。

ズボンの裾の三つ折りぐけ(一つ身甚平)

14.半ズボンの股上を縫う

半ズボンの左と右の股上を合わせて縫い、

股上の縫い代は割って、両側とも折り伏せぐけをします。

カーブは折り伏せぐけがつれやすいですが、

縫い代が細いので、つれずに折り伏せぐけをすることができます。

偏ってつれができていないか、確認しながら、くけてください。

股上縫い(一つ身甚平)

15.半ズボンのウエストにゴム通しをつける

半ズボンのウエストにゴム通し布をつけて、

ゴムを通し、完成です。

(ゴムを通す前の写真です。)

また、男の子の前開きはありません。

半ズボンは、一つ身と四つ身では、サイズ(丈と巾)が違うだけで、作り方は共通(同じ)です。

ゴム通しつけ(一つ身甚平)

16.完成

仕上げのアイロンをかけて、

可愛い甚平が出来上がりました。

完成図(前)(一つ身甚平)

後姿です。

一つ身で背縫いがないので、背紋飾りも刺繍しています。

完成図(後)(一つ身甚平)

17.まとめ

今回は、子供の一つ身甚平の手縫いの手順を紹介しました。

皆さんも、お子様の可愛い甚平を、手縫いにより、作ってみませんか?

子供の一つ身甚平は、並巾の浴衣地が3メートル弱で、作ることができます。

※ 反物一反あれば、一つ身甚平、一つ身浴衣、四つ身浴衣(3~4歳用)を作ることができます。

(一つ身浴衣、四つ身浴衣(3~4歳)の手縫いの手順も記事にしていますので、下記のリンクをクリックして、是非ご覧ください。)

一つ身浴衣の手縫い手順

四つ身浴衣(3~4歳)の手縫い手順

当アトリエでは、子供の一つ身甚平の作り方(和裁の本)を販売しています。

初心者の方でも、悩むことなく完成できるよう、丁寧な、工程ごとの図説となっておりますので、

下記のリンクをクリックして、是非ご来店ください。

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