![紐つけと肩揚げ(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/02b0390e5fdbe8a49dc0f83bd95bdfeb-1.jpg)
今回は、子供の四つ身甚平の作り方の手順を紹介します。
当アトリエ本の内容に沿った作り方になっていますので、
「 甚平の作り方(子供用5) 四つ身|3~8歳(100~120cm)」のご購入を検討されている方も、作り方の内容について、ご確認くださればと思います。
四つ身とは、並巾の反物を、身長の4倍の長さに裁断して身頃部分を作る仕立て方です。
並巾を背縫いして、後巾は最長、並巾✕2の長さを確保できますので、0歳~3歳くらいまでの和裁方法である一つ身より、後巾を多く取ることができますが、
衽を別裁ちせずに、前身頃との縫い代をつまんで衽としますので、前巾と衽巾の長さに制限があり、3歳~8歳くらいまでの和裁方法となっています。
甚平の作り方は、男の子、女の子共通です。
当アトリエの見本品作成では、一つ身甚平は女の子用、四つ身甚平は男の子用としていますので、
女の子用の四つ身甚平を作成予定の場合には、「子供一つ身甚平の手縫い手順|女の子用の手縫い工程画像を掲載」の記事もご確認ください。(「」内リンクをクリックしてください。)
1.袖を縫う
袖は、袖下を縫い、袖口をくけます。
(袖下は袋縫いです。)
一つ身の甚平と同じ作り方ですが、
サイズが大きくなっている分だけ、袖巾が長くなっています。
柄合わせを要さない場合には、
耳を袖つけ側にして、裁ち目を袖口側にします。
(柄合わせのため、ここでは裁ち目が袖つけ側になっています。)
![四つ身甚平の袖(手縫い)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/12fc7b2425e72a76ffb33c5ea5f4f634-1.jpg)
2.後身頃の背を縫う
後身頃同士を合わせて、背を縫います。
(袋縫いにします。)
![四つ身甚平の背縫い](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/f25e63324be8b6665c677f22f8d74241-1.jpg)
3.前身頃と衽の縫い代をつまみ、縫う
前身頃と衽の縫い代をつまんで縫い、
縫い代を衽にくけます。
大人の和裁では、衽は別裁にして前身頃に縫いますので、
このつまみ衽という縫い方は、子供用の和裁での特徴と言えます。
また、衽の褄下部分を三つ折りぐけしておきます。
![四つ身甚平のつまみ衽](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e8fb6af2bcbbff810c064843d539a3c1.jpg)
4.前身頃と後身頃の脇を縫う
前身頃と後身頃を合わせて、
袖つけから馬のりまで、脇縫いをし、
縫い代を開いてかくしじつけをして、
馬のりのつけ根にかんぬきどめをします。
馬のりとは、スリットのことを言い、
ここでは脇を開けていますが、
半襦袢などでは、背中心の裾に馬のり(スリット)をつけます。
![一つ身甚平の脇縫い](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/76f04e5ed1ed9f41c5585fb636e69b11.jpg)
5.身頃に袖をつける
袖と身頃を合わせて袖をつけ、
1で、袖つけ側が耳の場合は耳ぐけ、
袖つけ側が裁ち目の場合は折り伏せぐけをします。
ここでは、袖つけ側は裁ち目となっていますので、
折り伏せぐけをします。
袖の左と右で、折り伏せぐけ、耳ぐけを統一してください。
(一方は耳ぐけ、一方は折り伏せぐけとしないということです。)
![四つ身甚平の袖つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/5d1e0aa40ef3ea57d02f5760be2c337f-1.jpg)
6.脇の縫い代をくける
脇の縫い代を身頃に折り伏せぐけします。
(前身頃の裾から後身頃の裾まで、
肩まわりもぐるりとくけます。)
脇の縫い代の始末は、袖つけの後行います。
浴衣は本来、脇の縫い代の始末は耳ぐけでよいのでしょうが、
四つ身ではどうしても脇の縫い代が多くなってしまいますので、
折り伏せぐけの方が良いような気がします。
![四つ身甚平の脇の縫い代の折り伏せぐけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/32bb1babd31513d025c2323592fd8f59.jpg)
7.裾をくける
裾を三つ折りぐけにします。
角は三角に折ってからくけます。
![四つ身甚平の裾(三つ折りぐけ)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/8224fc88654afe824f37cd24482d687f.jpg)
8.身頃に衿をつける
身頃と衿を合わせて縫い、
衿肩あきの角に力布、衿肩まわりに三つ衿芯をつけ、
衿をくけます。
衿がつくともう完成間近ですね。
写真では、首まわりが大きく開いている印象ですが、
紐をつけて結ぶと身頃の巾が狭くなり、
首まわりも締まりますので、ちょうど良い開き具合になります。
![四つ身甚平の衿つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e8925299ce2b1e6fc9f23b83b4ce114f.jpg)
9.紐を作る
紐を4本作ります。
(4本のうちの1本は、両端をくけます。)
布が足りない場合には、内紐2本は新モスで作っても構いません。
(両端をくけるのは、表紐のうちの1本です。)
![紐作り(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/b960c121a33233b4172efc3e2814d7f5.jpg)
10.紐をつけ、肩揚げをする
紐をつけ、肩揚げをして、甚平の上着は完成です。
首まわりの開きもちょうどよい開き具合になりました。
![紐つけと肩揚げ(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/02b0390e5fdbe8a49dc0f83bd95bdfeb-1.jpg)
11.半ズボンの側面を縫う
ここから、半ズボンの作成となります。
半ズボンの前と後の側面を縫い、
縫い代を折り伏せぐけします。
和裁では、
裏であっても裁ち目を見せないように、
縫い代を折り伏せぐけします。
![半ズボンの側面縫い(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/dc9f2e4cab6fa68cc9534b4975af134e.jpg)
12.半ズボンの股下を縫う
半ズボンの前と後の股下を合わせて縫い、
ここでも、縫い代を折り伏せぐけします。
![半ズボンの股下縫い(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/7d04cbc27745bf09661011c3bffc68ed.jpg)
13.半ズボンの裾をくける
半ズボンの裾をぐるりと三つ折りぐけにします。
![半ズボンの裾の三つ折りぐけ(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/4ecf1f36bae5c6153df458c2fbdf3d81.jpg)
14.半ズボンの股上を縫う
半ズボンの左と右の股上を合わせて縫い、
股上の縫い代は割って、両側とも折り伏せぐけをします。
ここまで縫い合わさると、完成形も見えてきますね。
![半ズボンの股上縫い(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/c1b2c20e2e600701418a2bee3a6d7dc1.jpg)
15.半ズボンのウエストにゴム通しをつける
半ズボンのウエストにゴム通し布をつけて、
ゴムを通し、完成です。
男の子の前開きはありません。
(写真は、ゴムを通す前です。)
半ズボンは、一つ身と四つ身では、サイズ(丈と巾)が違うだけで、作り方は共通(同じ)です。
![半ズボンのゴム通しつけ(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/b11a28201bf27e0b5d3c3784e1fe1b48.jpg)
16.完成
仕上げのアイロンをかけて、
可愛い甚平が出来上がりました。
今回は、綿紅梅の浴衣地で甚平を作成しています。
肌ざわりはとても涼しそうで、
柄もトンボ柄ですので、目からも涼を感じられます。
また、綿紅梅は、格子状に凹凸の織り目がありますので、
縦横ラインが分かりやすく、
まっすぐ裁ったり縫ったりが可能で、
完成品がとても綺麗で、和裁にお勧めの生地です。
1つの反物(約12メートル)で、
四つ身の甚平と、四つ身の浴衣を両方作ることができますので、
お気に入りの反物を見つけて、
甚平と浴衣を作ってみてはいかがでしょうか?
![完成図(四つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e4166e9582dc40c86f4ed1b0633f81c3.jpg)
17.まとめ
今回は、子供の四つ身甚平の手縫いの手順を紹介しました。
皆さんも、お子様の可愛い甚平を、手縫いにより、作ってみませんか?
子供の四つ身甚平(7~8歳)は、並巾の浴衣地が4メートル弱で、作ることができます。
当アトリエでは、子供の四つ身甚平(3~8歳)の作り方(和裁の本)を販売しています。
3~4歳用、5~6歳用、7~8歳用に分けて、標準サイズの寸法表も掲載しておりますし、
初心者の方でも、悩むことなく完成できるよう、丁寧な、工程ごとの図説となっておりますので、
下記のリンクをクリックして、是非ご来店ください。