![紐つけと肩揚げ(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/18499807bc8dc316ea0295da530d6422.jpg)
今回は、子供の一つ身甚平の作り方の手順を紹介します。
当アトリエ本の内容に沿った作り方になっていますので、
当アトリエ本「 甚平の作り方(子供用 4)|一つ身 1~3歳(80~90cm)」のご購入を検討されている方も、
作り方の内容について、ご確認くださればと思います。
一つ身とは、背縫いをせず、並巾の反物巾で後身頃をとる仕立て方です。
並巾(約36センチ)で、後巾✕2をとりますので、0歳から3歳くらいまでの和裁方法となります。
また、古くから、「背縫いのない着物を着ると魔がさす」という言い伝えがあったため、背縫いをしない一つ身の着物などには、お守りとして、背守りや背紋飾りをつける風習があります。
甚平の作り方は、男の子、女の子共通です。
当アトリエの見本品作成では、一つ身甚平は女の子用、四つ身甚平は男の子用としていますので、
男の子用の一つ身甚平を作成予定の場合には、「子供四つ身甚平(3~8歳)の手縫い手順|男の子用の手縫い工程画像を掲載」の記事もご確認ください。(「」内リンクをクリックしてください。)
1.袖を縫う
袖は、袖下を縫い、袖口をくけます。
(袖下は袋縫いです。)
柄合わせをしなくてよい柄の場合には、
袖つけ側を耳にして、裁ち目は袖口側にしますと、
縫い代を処理する際、折り伏せぐけでなく、
耳ぐけで対処できます。
(今回は、柄合わせがありましたので、袖口側を耳、袖つけ側を裁ち目としています。)
![一つ身甚平の袖(手縫い)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/fc96b5edacb0960cab5004b7457497ec.jpg)
2.前身頃と後身頃の脇を縫う
衿肩あきと前身頃の中心に切り込みを入れてから、
前身頃と後身頃を合わせて、
袖つけから馬のりまで、脇縫いをし、
縫い代を開いてかくしじつけします。
一つ身では、並巾で後身頃をとり、
並巾の2分の1で前巾をとりますので、
大人物と比べると4分の1くらいのサイズとなり、
とても可愛いですね。
馬のりとは、スリットのことです。
また、縫い代にかくしじつけをすることで、
キセが押さえられ、崩れにくくなります。
![一つ身甚平の脇縫い](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/7c4fea88f6ff797c95f2b6ccd6573a75.jpg)
3.身頃に袖をつける
袖と身頃を合わせて袖をつけ、
1で、袖つけ側が耳の場合には耳ぐけを、
袖つけ側が裁ち目の場合には、折り伏せぐけをします。
今回は、袖つけ側は裁ち目となっていますので、
折り伏せぐけをします。
袖の左と右で、折り伏せぐけ、耳ぐけを統一してください。
(左は折り伏せぐけ、右は耳ぐけとしないということです。)
![一つ身甚平の袖つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/9760cf9a9f7b74c4e632a43089213951.jpg)
4.馬のりにかんぬきどめをする
馬のりのつけ根にかんぬきどめをします。
スリットは、脱ぎ着の際、付け根に力がかかり、
縫い目が綻びやすくなりますので、
かんぬきどめで、縫い終わりをしっかりとめましょう。
![馬のりかんぬきどめ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/8a66e2e3452bc93bf0879b8ef7f6c2a1.jpg)
5.脇の縫い代を耳ぐけする
脇の縫い代を身頃に耳ぐけします。
(前身頃の裾から後身頃の裾まで、肩まわりもぐるりとくけます。)
和裁では、裏であっても裁ち目や耳を見せない処理をしますが、
浴衣や甚平の場合は、耳ぐけが認められています。
裁ち目は見せてはいけませんので、
裁ち目の場合には、必ず折り伏せぐけをします。
![一つ身甚平の脇の縫い代の耳ぐけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/228bf94e8074c3c2ca374c5ee436d7fc.jpg)
6.前身頃に衽をつける
一つ身では、衽は別裁ちとなりますので、
衽と前身頃を合わせて、衽下がりまで縫います。
ここでも裁ち目を見せてはいけませんので、
縫い代を袋縫いにしますが、
縫い代が少ない場合には、袋縫いができませんので、
しるしを付ける際に、袋縫いができるかどうかも確認してください。
![一つ身甚平の衽つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/39dc58cfbe6493e0615bfa2b43d01cf8.jpg)
7.裾をくける
裾を三つ折りぐけにします。
裾の角は三角に折ります。
脇に馬のりがありますので、
前それぞれ両端、後両端の6つの角を三角に折ります。
![一つ身甚平の裾(三つ折りぐけ)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/845ecfbd32a10d6a3b684fb3c74d9a26.jpg)
8.身頃に衿をつける
身頃と衿を合わせて縫い、
衿肩あきの角に力布、衿肩まわりに三つ衿芯をつけ、
衿をくけます。
一つ身で、衿巾も細いですが、
丁寧に、着物の仕立てと同じように、
力布と三つ衿芯をつけます。
![一つ身甚平の衿つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/1e31cea7f5c77a2eb0a6b12544b56cae.jpg)
9.紐を作る
表紐を2本、内紐を2本作ります。
(表紐のうちの1本は、両端をくけます。)
ここでは4本とも表布にしていますが、
表布に紐を4本つくるだけの余りがない場合には、
内紐2本は新モスにしても構いません。
![紐作り(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/ae499b4ea141487cd91dd3bac9743c6a.jpg)
10.紐をつけ、肩揚げをする
紐をつけ、肩揚げをして、甚平の上着は完成です。
女の子も、男の子も、同じ作り方となっています。
![紐つけと肩揚げ(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/18499807bc8dc316ea0295da530d6422.jpg)
11.半ズボンの側面を縫う
ここから、半ズボンの作り方となります。
半ズボンの前と後の側面を縫い、
縫い代を折り伏せぐけします。
上着と同様、裁ち目を見せないように、
縫い代を折り伏せぐけします。
表に出る針目ができるだけ小さくなるように、
また、針目は等間隔の方が綺麗に見えます。
![側面縫い(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e6d827c120fecfe627e17a87b12bd828-1.jpg)
12.半ズボンの股下を縫う
半ズボンの前と後の股下を合わせて縫い、
ここでも、縫い代を折り伏せぐけします。
![股下縫い(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e1db80073277c5425a43ba6f7f8361e0.jpg)
13.半ズボンの裾をくける
半ズボンの裾をぐるりと三つ折りぐけにします。
裾は綻びやすいので、間隔を細かめにくけています。
![ズボンの裾の三つ折りぐけ(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/bb905c5f1d29cef460cad10000eead27.jpg)
14.半ズボンの股上を縫う
半ズボンの左と右の股上を合わせて縫い、
股上の縫い代は割って、両側とも折り伏せぐけをします。
カーブは折り伏せぐけがつれやすいですが、
縫い代が細いので、つれずに折り伏せぐけをすることができます。
偏ってつれができていないか、確認しながら、くけてください。
![股上縫い(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/b4e4be2863269c377590f4adf8d88949.jpg)
15.半ズボンのウエストにゴム通しをつける
半ズボンのウエストにゴム通し布をつけて、
ゴムを通し、完成です。
(ゴムを通す前の写真です。)
また、男の子の前開きはありません。
半ズボンは、一つ身と四つ身では、サイズ(丈と巾)が違うだけで、作り方は共通(同じ)です。
![ゴム通しつけ(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/d1fa2c0a9e9a7fe971c62f9bc0c816fa.jpg)
16.完成
仕上げのアイロンをかけて、
可愛い甚平が出来上がりました。
![完成図(前)(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/999e8e25324903b5c1df7df1908d049f.jpg)
後姿です。
一つ身で背縫いがないので、背紋飾りも刺繍しています。
![完成図(後)(一つ身甚平)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/e0528f75fb88dae34ce3136a79541c36.jpg)
17.まとめ
今回は、子供の一つ身甚平の手縫いの手順を紹介しました。
皆さんも、お子様の可愛い甚平を、手縫いにより、作ってみませんか?
子供の一つ身甚平は、並巾の浴衣地が3メートル弱で、作ることができます。
※ 反物一反あれば、一つ身甚平、一つ身浴衣、四つ身浴衣(3~4歳用)を作ることができます。
(一つ身浴衣、四つ身浴衣(3~4歳)の手縫いの手順も記事にしていますので、下記のリンクをクリックして、是非ご覧ください。)
当アトリエでは、子供の一つ身甚平の作り方(和裁の本)を販売しています。
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