![一つ身浴衣(手縫い)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/1c0a80c651eb3ce710c9d2b175fb6f2c.jpg)
今回は、子供一つ身浴衣の作り方の手順を紹介します。
当アトリエ本の内容に沿った作り方になっていますので、
当アトリエ本「 浴衣の作り方(子供用1)| 一つ身 0~3歳(50~90cm)」のご購入を検討されている方も、
作り方の内容について、ご確認くださればと思います。
一つ身とは、背縫いをせず、並巾の反物巾で後身頃をとる仕立て方です。
並巾(約36センチ)で、後巾✕2をとりますので、0歳から3歳くらいまでの和裁方法となります。
また、古くから、「背縫いのない着物を着ると魔がさす」という言い伝えがあったため、背縫いをしない一つ身の着物などには、お守りとして、背守りや背紋飾りをつける風習があります。
1.袖を縫う
袖は、袖下から丸みを通って袖口下を縫い、
袖口をくけて、丸みを整え、
袖下の縫い代を内袖にくけます。
(袖下は袋縫いです。)
当アトリエ本では、
女の子は元禄袖、男の子は船底袖です。
写真は、女の子用の浴衣で、丸みは可愛らしく、大きめの8センチとしています。
また、男の子は、0歳から3歳用ですので、可愛らしい船底袖を採用しています。
(3歳から8歳用の四つ身の浴衣では、男の子は筒袖です。)
![一つ身浴衣の袖(手縫い)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/76730ec8d74282a34c8a8f209427297a-1.jpg)
2.前身頃と後身頃の脇を縫う
前身頃と後身頃を合わせて、脇を縫います。
一つ身では、並巾で後身頃をとり、
並巾を中央で半分に切り、並巾の2分の1で前巾をとりますので、並巾の両耳が脇となります。
前は、上にくる方の鎖骨の下くらいに、一番良い柄を合わせましょう。
![一つ身浴衣の脇縫い](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/6bde88feea0005fff0a0d7ce7cc9aacc.jpg)
3.脇の後身頃の縫い代を斜めに折り、かくしじつけする
脇の縫い代は脇から裾にかけては耳ぐけしますが、
袖つけでは開かなくてはなりませんので、
後身頃の縫い代の身八つ口から下の部分を斜めに折り、
キセや開きがくずれないように、
前身頃側から、かくしじつけで押さえます。
![一つ身浴衣の脇の縫い代(かくしじつけ)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/bc760c8de7ad2f5ad8eac83d14cd829a.jpg)
後身頃を上に返した写真です。
![一つ身浴衣の脇の縫い代の処理(後身頃側)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/dce5a7b6bff0a31ad697cda54ab68b5b.jpg)
4.身頃に袖をつける
袖と身頃を合わせて袖をつけ、
振りを綺麗に整えて、振りの縫い代を耳ぐけします。
表にでる針目ができるだけ小さくなるように心掛けましょう。
また、針目を等間隔にすると、仕上がりがとても綺麗です。
![一つ身浴衣の袖つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/5d1e0aa40ef3ea57d02f5760be2c337f.jpg)
5.脇の縫い代を耳ぐけする
脇の縫い代を身頃に耳ぐけします。
(斜めに折った縫い代が脇縫い線とぶつかるところから
前身頃の裾まで、肩まわりもぐるりとくけます。)
3では、縫い代の内側を崩れにくくするためにかくしじつけで押さえましたが、
ここでは、縫い代の外側を耳ぐけで押さえていきます。
![一つ身浴衣の脇の縫い代の耳ぐけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/9eaf67aa19ef27b9f305a68d3f49ede0.jpg)
6.前身頃に衽をつける
衽と前身頃を合わせて、衽下がりまで縫います。
(縫い代は袋縫いです。)
一つ身では、衽は別裁ちですので、
別に裁った衽と前身頃を縫い合わせます。
衽の端は裁ち目となっていると思いますので、
袋縫いにして、裏からも裁ち目をみせないようにします。
![一つ身浴衣の衽つけ](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/d91aa3e35d84da2e8f0af053f1650930.jpg)
左右の衽つけをして、表に返した写真です。
![一つ身浴衣の衽つけ(表に返した画像)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/aee2b4108502a4390f7833390d5f25fb.jpg)
7.裾をくける
裾を三つ折りぐけにします。
衽の裾の角は三角に折ってからくけます。
脇や衽つけの布が重なっている部分では、ぐしぐけをしましょう。(表に針目を出さないように)
![一つ身浴衣の裾(三つ折りぐけ)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/73d2532b3ce5874f4d318d0edd278382.jpg)
8.身頃に衿をつけて、衿に紐をつける
身頃と衿を合わせて縫い、
衿肩あきの角に力布、衿肩まわりに三つ衿芯をつけ、
衿をくけてから、
衿の上に共衿をくけ付けます。
(共衿は、0歳から1歳くらいの場合など、
必要がなければ付けなくてもよいともされています。)
紐を作り、紐つけをして、仕上げのアイロンをかけ、完成です。
紐には、紐飾りもしています。
(この後、着丈と裄に合わせて、腰揚げと肩揚げをします。)
![一つ身浴衣(手縫いの完成画像)](https://fair-manage.xsrv.jp/wp-content/uploads/ecb578d8bac151ccb8ca02bac2d66ee5.jpg)
9.まとめ
今回は、子供の一つ身浴衣の手縫いの手順を紹介しました。
皆さんも、お子様の可愛い浴衣を、手縫いにより、作ってみませんか?
子供の一つ身浴衣は、並巾の浴衣地が4メートル弱で、作ることができます。
※ 反物一反あれば、一つ身浴衣、一つ身甚平、四つ身浴衣(3~4歳用)を作ることができます。
(一つ身甚平、四つ身浴衣(3~4歳)の手縫いの手順も記事にしていますので、下記のリンクをクリックして、是非ご覧ください。)
当アトリエでは、子供の一つ身浴衣の作り方(和裁の本)を販売しています。
女の子用も、男の子用も、作り方を載せておりますし、
初心者の方でも、悩むことなく完成できるよう、丁寧な、工程ごとの図説となっておりますので、
下記のリンクをクリックして、是非ご来店ください。